株は証券会社を通して売買する

6月 12
2010



「株は株式市場で取引されている」ということをすでに学びました。ただし、一般の個人投資家は、株式市場で直接に取引をするわけではありません。ここで登場するのが、「証券会社」です。

証券会社は、株や債券などの各種の証券を取り扱うことを業務としています。大きく分けると以下の4つの業務を行っています。

これら4つのうち、個人投資家にとって特に重要なのは「ブローカー業務」です。ブローカー業務とは、さまざまな投資家からの売買注文を受けて、それを株式市場などに取り次ぎ、売買を進めることを指します。投資家が株を売買するには、証券会社を通すことが必要になるわけです。

また、売買注文を取り次ぐ際には、証券会社は投資家から手数料を徴収します。この手数料が、証券会社の収益源の1つになっています。





取引口座の開設方法

6月 12
2010



証券会社で株を取引するには、まず証券会社に口座を作ることが必要です。 証券会社の店舗に行って、「口座を作りたい」と申し出れば、口座を開設することができます。その際には、運転免許証などの身分を証明するものと、印鑑を持参します。

またインターネットを利用して口座を作ることもできます。
多くの証券会社のホームページでは、「口座開設」のような文字が大きく表示されています。そこをクリックすると、資料請求のページが表示されるので、自分の氏名や住所などを人力して送信します。

しばらくすると口座開設の申込書が郵送されてくるので、必要事項を記入し、また必要箇所に捺印して、証券会社に送り返します。すると、おおむね1週間程度で口座が開設されます。

また、口座の開設が終わったら株を買うためのお金を入金しておきます。インターネット株取引の場合、証券会社から指定された銀行口座や郵便貯金口座に、自分の銀行口座等から代金を振り込む形が一般的です。また、証券会社によっては銀行等と提携していて、自分の銀行等の口座から自動的に購入代金が引き落とされるようになっているところもあります。





株を買う方法

6月 12
2010



株を買う方法は、お店で物を買うのと基本的には同じです。ただし、株に特有な部分もあります。インターネットでの買い注文は、証券会社のホームページにある買い注文画面で出します。

銘柄を指定する

まず、買いたい会社(銘柄)を指定することが必要です。銘柄の名前で指定することもできますが、「証券コード」というものもよく使われています。

証券コードは、会社ごとにつけられた4桁の番号です。主な会社の証券コードは、次の表のようになっています。

また、業種別に証券コードの範囲はほぼ決まっています。ただし、最近では上場する会社が増えて、証券コードが不足している業種もあるため、規則性は薄れています。

銘柄名で指定すると、似たような名前の銘柄を間違って指定してしまうこともあり得ます。証券コードも便って指定することをお勤めします。

なお、個々の会社の証券コードは、会社四季報などに記載されています。また、インターネットで調べるなら、「Yahoo ! ファイナンス」の以下のアドレスを使うと便利です。

http://quote.yahoo.co.jp/lookup

買う株数を指定する

次に、買う株数を指定することが必要です。その際には「単位」が重要です。

一般の商品は1個単位で買うことができる場合がほとんどです。しかし、株は基本的には1株単位では買うことはできません。「単元株」という制度があって、単元の整数倍の株数でのみ、株を買うことができます。

銘柄ごとに1単元の株数は異なりますが、昔からの名残で、1単元=1,000株である会社が多くなっています。そのほか、1株/10株/100株などの単元の会社もあります。

例えば、1単元が1,000株の銘柄の場合、1,000株の整数倍(1,000株、2,000株、3,000株‥・)で買う必要があります。また、その銘柄の株価が300円だとすると、1単元あたり30万円(=300円×1,000株)の資金が必要になります。

なお、個々の銘柄の1単元の株数も、会社四季報で調べたり、インターネットのYahoo!ファイナンスなどで調べたりすることができます。

買う値段を指定する

物の売買は、売る側と買う側とで値段が折り合わなければ成立しません。株の売買も同じです。ある株について、売る側と買う側の値段が一致すれば、売買が成立します。ある株について買う側が500円で買いたくても、売る側が550円でなければ売らないのであれば、売買は成立しません。お互いが中間の525円に歩み寄れば売買が成立するわけです。

ですから、株を「いくらで買いたいのか」ということを指定する必要があります。この指定の方法には「成り行き」と「指値」(さしね)があります。

成り行きと指値

成り行きというのは、「そのときについている値段で買う」ということを意味します。例えば、そのときの株価が500円だとすると、500円で買うことになります。一方の指値は、「いくらで買う」ということを指定して注文する方法です。例えば、「500円で買う」というように指値を指定します。

成り行きのメリットは、「ほぼ確実に株を買うことができる」ということです。値段を指定しないので、その時点で誰かが売りを出していれば、注文が成立します。「とにかく買いたい」というときには、成り行きで注文すれば良いことになります。

また、証券会社によっては、成り行きと指値では、成り行きの方が手数料が安いところがあります。

ただし、取引の少ない株の場合、成り行きで注文すると、思わぬ高値で株を買ってしまうこともあり得ます。例えば、500円ぐらいで買うつもりで成り行き注文を出したものの、その時点で売る例が510円を指定しているとすると、510円で買い注文が成立してしまいます。

一方の指値では、自分の指定した指値まで株価が下がらないと注文は成立しません。

例えば、500円の指値で買いの注文を出したとしても、売る例が510円を指定していると注文は成立しません。

このように、指値の場合は注文が成立しないということも起こり得ます。ただし、成り行きのように「思わぬ高値で買ってしまう」ということは起こりません。

成り行きと指値のメリットとデメリットをまとめると、次の表のようになります。
状況に応じて、適切な方法を選ぶようにしましょう。

なお、証券会社によっては、「逆指値」(ぎやくさしね)などの複雑な注文方法を取れるところもあります。

市場を指定する

さらに、買う市場を指定することも必要です。株は株式市場で取引されていますが、銘柄によって上場している市場が異なるので、それを指定する必要があります。

また、銘柄によっては、複数の市場に上場している場合もあります。例えば、関西に本社がある会社だと、東京証券取引所と大阪証券取引所の両方に上場していることがあります。

そのような銘柄では、東京証券取引所よりも大阪証券取引所の方が取引量が多いこともあります。その場合は、大阪証券取引所で買うようにする方が、注文がより通りやすくなります。





売り注文の方法・注文や約定を確認する方法

6月 12
2010



インターネットでの株の売り注文の出し方は、買い注文とほぼ同じで、証券会社のホームページの売り注文画面から出します。

売り注文では、以下の項目を指定します。
①売る銘柄
②売る株数
③売る値段(成り行きか指値)
④売る市場

指値で売り注文を出した場合、その指値より株価が高くなると、注文が成立します。例えば、500円の指値で売り注文を出すと、株価が500円より高くなると注文が成立します。

なお、当然のことですが、持っていない銘柄を売ることはできません。インターネット株取引の場合、売り注文の画面に接続すると、手持ちの銘柄が一覧表示されて、その中から選ぶようになっていることがほとんどです。

注文や約定を確認する

売買の注文を出す際には、正しく注文ができているかどうかをよく確認します。インターネット株取引の場合、注文を入力して「確認」などのボタンをクリックすると、注文内容が再度表示されるので、それを確認してから「注文」等のボタンをクリックします。一度注文した後で、「注文確認」等のメニューで注文を確認することもできます。

また、取引が成立することを「約定」(やくじょう)と呼びますが、約定したかどうかもネットで確認することができます。証券会社によっては、約定したことを電話やメールで通知してくれるところもあります。

なお、注文を出した後で、それを取り消すこともできます。ただし、注文が約定してしまうと取り消すことはできません。くれぐれも注文を間違えないように注意しましょう。





取引が行われる曜日と時間帯

6月 12
2010



ネット証券での売買の注文自体は、多くの場合24時間ほぼいつでもできます。ただし、実際に注文が執行されるのは株式市場が聞いている時間帯になります。

東京証券取引所の場合、午前は9時~11時、午後は12時30分~15時の聞か、市場が開いている時間になります。そのため、深夜や早朝に注文を出すと、翌朝の9時に市場が開いた時点で、その注文が執行されることになります。

午前の時間帯を「前場」(ぜんば)と呼び、午後の時間帯を「後場」(ごば)と呼びます。

また、市場が間く時間を「寄り付き」と呼びます。午後の寄り付きは、「後場寄り」と呼ぶこともあります。一方、市場が終わる時間を「引け」と呼びます。午前と午後の引けは、それぞれ「前引け」(ぜんびけ)/「大引け」(おおびけ)と呼びます。

なお、証券取引所が聞いているのは月曜日から金曜日の平日だけです。土曜日/日曜日/祝日には取引は行われません。また、年末の最後の取引日は12月30日で、年始の最初の取引日は1月4日です。

12月30日を「大納会」(だいのうかい)と呼び、1月4日を「大発会」(だいほっかい・だいはっかい)と呼びます。なお、大納会と大発会は、前場のみの取引になります。