金利と株価の関係

7月 11
2010



銀行などを利用して、お金を預けたり借りたりする際には金利が付きます。金利とは元金に対する利子の割合のことです。銀行にお金を預けても金利が低いと利子はあまり付きません。逆に、お金を借りるときは金利が低い方が有利です。この金利の動きも、株価に影響を与えます。

●景気と金利の関係
金利は景気状況によって上下します。基本的には、景気が良くなると金利は引き上げられます。一方、景気が悪くなると金利が引き下げられます。景気が良くなると物やサービスの需要が多くなり、お金の必要性も高まります。そのため、「少々金利が高くてもお金を借りたい」という人が増え、金利が上がりやすくなります。

また、景気が良くなって物がよく売れるようになり、物の供給より需要が多くなると物価が上がりやすくなります。そこで、景気の過熱を抑えるために日本銀行が金利を引き上げます。

このようにして金利が上がっていくと、お金を借りにくくなっていき、景気が徐々に落ち着いていきます。そして、やがては景気が悪化する局面に入っていきます。景気が悪化すると物やサービスの需要が減るので、お金もそれほど必要なくなってきます。そのため、お金の借り手が少なくなり、貸し手にとって不利な状況になるため、金利が徐々に下がっていきます。また、景気を刺激させるために日本銀行も金利を引き下げていきます。

金利の引き下げが進んでくると、徐々にお金の借り手が増えたして景気の悪化に歯止めがかかり、やがては景気が回復し始めます。そして、また金利が上がりだすという繰り返しになります。

●金利上昇は株安/金利低下は株高につながる
すでに学んだように、株価は景気が良くなり出す前に上がり始め、景気がピークを迎える前に下がりだします。つまり、株価の山と谷は、景気の山と谷より先に来ます。

これに対して、金利は景気が良くなると上がり始め、景気がピークを過ぎた後に下がりだします。つまり、金利の山と谷は、景気の山と谷より後に来ることになります。景気が良くなってきて金利が上昇し始めると、最初のうちは金利と株価がともに上がっていくことになります。しかし、景気が過熱して金利がどんどん引き上げられるようになると、株価に悪影響が出て、株価が先に下がりだします。

逆に、景気のピークを過ぎてしばらくの間は、金利と株価がともに下がっていきます。しかし、金利が十分に下がってくると、景気回復が期待されて、株価が上がり始めます。このような状況は、「不景気の株高」とも言われます。また、金利が低いとお金を借りやすくなり、「金余り」の状態になります。

一方、金利が低いと預貯金ではお金は増えません。そのため、株にお金が回りやすい状態にもなります。これも、低金利になると株価が上がりやすくなる原因です。このように、景気に過無慾が出て金利が上がってきたら、景気のピークが近く、また株価も上がりにくくなるので、それ以上株を買うのは避けるべきです。日本では、金利は上がりだすと急激に上がる傾向があるので、そのような傾向が見えたら要注意です。

一方、不景気が続いて金利が大きく下がってきたら、景気回復が始まるのが近く、株価が上がる可能性が出てくるので、景気の動きに注目して株を買うタイミングを探るようにします。




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