いつ株を買えば配当などがもらえるか

7月 06
2010



配当/株主優待/株式分割とも、当然ながら株主になっていないともらうことができません。では、いつの時点で株主になっていれば良いのでしょうか? これも学んでおきましょう。

●権利確定日と権利付き最終日
配当等の権利が確定する日のことを「権利確定日」と呼びます。決算日が権利確定日になります。その日の時点で株主であれば、配当等をもらうことができます。例えば、3月決算の会社なら権利確定日は3月31日です。

ただし、権利確定日の時点で株を買っていたのでは、残念ながら間に合いません。前に学んだように、買い注文を出してから実際に株が自分のものになるまでには、注文当日を含めて4営業日かかります。また、権利確定日当日には株の受け渡しは行われないので、権利確定日の前日に株主になっていることが必要です。

つまり、権利確定日の5営業日前までに株を買っておけば、配当等の権利を得ることができます。その日のことを、「権利付き最終日」と呼びます。例えば、3月31日が木曜日だとすると、その5営業日前は3月25日になります。したがって、3月25日が権利付き最終日になります。その日に株を買えば、配当等の権利を得ることができます。

●権利をもらった直後に売る?
ここまでの話を読んで、「じやあ、権利が手に入ったら、次の日に株を売っても良いの?」と思われる方もいることでしょう。権利付き最終日に株を買って、その翌日に売ったとしても、権利は手に入ります。たった1日株を持っているだけで、配当や株主優待が手に入ることになります。一見すると、これは得なように思えるかもしれません。

しかし、残念ながら得にはなりません。配当等をもらえなくなった株は、その分だけ魅力(価値)が下がります。そのため、配当等をもらえる時と同じ値段で買いたいという人は、普通はいなくなります。「配当等をもらえないなら、その分だけ安く買いたい」というのが一般的な考え方です。

したがって、権利付き最終日の翌日には、その株を買う側は配当等の権利分を引いた額で買い注文を出してきます。その結果、権利分とほぼ同じ額だけ株価が下がります。これを「権利落ち」と呼びます。

例えば、ある銘柄の株価が、権利付き最終日に1,000円だったとしましょう。また、その銘柄の配当が1株あたり10円だとしましょう。この場合、権利付き最終日の翌日には、株価は自然にほぼ10円下がって990円前後になります。 このように、権利付き最終日に株を買って翌日に売ると、配当や株主優待の儲けと権利落ちで株価が下がる分の損がほぼ相殺されてしまいます。また、売買には手数料がかかるので、実質的には手数料分だけ損をすることになります。




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