株価が動く主要因は業績

7月 13
2010



需要と供給は株価に大きな影響を与えますが、需要の大小に影響する要因としては、やはり何といっても会社の「業績」が大きなものです。業績が良くて利益が多い会社ほど、株価も高くなるといえます。

●1株あたりの利益が重要
ただし、単純に利益の大小で株価が決まるわけではなく、「1株あたりの利益」が重要です。1株あたりの利益は、以下のように計算します。

例えば、税引き後の利益が100億円で、発行済み株式数が10億株だとすると、1株あたりの利益は以下のように求められます。

利益の額が多くても、発行済みの株式数が多いと、1株あたりの利益は小さくなります。そうなると、株価もあまり上がりません。例えば、AとBの2つの会社があって、どちらも税引き後の利益が100億円だとしましょう。そして、A社は発行済み株式数が10億株で、B社は発行済み株式数が1億株だとします。

この場合、A社/B社の1株あたり利益は、それぞれ10円/100円になり、B社はA社に比べて1株あたりの利益が10倍になります。すると、株価もB社がA社の10倍程度になるのが普通です。

●利益が伸びている会社が良い
また、現在の1株あたりの利益が同じであっても、将来にさらに利益が伸びそうな会社と、このまま利益が横ばいになりそうな会社とでは、前者の方が株価は高くなります。

株価は将来を見越して決まる傾向があるので、利益が増えそうな会社なら、それを見越して株価も高くなるわけです。また、今の業績が良くて利益が多くても、将来に業績が悪化しそうだということになると、株価は下がってしまいます。

例えば、日産自動車について考えてみましょう。日産自動車は一時は業績が低迷し、99年にはリストラがらみで大幅な赤字を計上しました。しかし、リストラに成功して利益が順調に回復し、それに伴って株価も上昇しました。

このように、株価を決める要因として、「1株あたりの利益が多いかどうか」、また「利益が順調に伸びそうかどうか」ということは、非常に重要なポイントになります。なお、会社の利益を判断するには「損益計算書」という決算書を調べます。




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