逆張りはハイリスク・ハイリターン

5月 14
2010



株を売買する方法の1つに「逆張り」があります。株価が下がる中で買い、上がる中で売る方法です。順張りは比較的リスクを抑えることができますが、逆張りはハイリスク・ハイリターンです。

逆張りで成功すれば、順張りよりも大きく儲けることができます。株価が下がっていく中で買うので、順張りに比べると、株価がより安いときに買える可能性が高くなります。そのため、成功すれば大きく儲かるわけです。 しかし、失敗すると大きな損失となることもあります。例えば、「株価が安くなったから」と逆張りで買ったあとに、株価がさらに大きく下落してしまうと、損失を抱えることになってしまいます。

そのあとに株価が戻ってくれば助かりますが、その会社が倒産してしまうと目も当てられない結果になってしまいます。 失敗したときの損失が大きいので、基本的に逆張りは避けるべきですが、値動きが安定していて底値が見えている銘柄の場合は、うまく利用すれば儲けを出すこともできます。逆に、値動きが激しかったり株価が高い銘柄では、逆張りは厳禁です。





逆張りの使い方と利用方法

5月 14
2010



逆張りというのは、大損する危険性があるので基本的には避けるべき手法ですが、うまく利用すれば危険性を低く抑えながら利益を出すこともできます。例えば、長期的にボックス圈の値動きをしている銘柄の場合は、逆張りを利用することも考えられます。

ボックスの下限に近づいたら逆張りで買い、上限に近づいたら売るようにすることで、繰り返しこつこつと儲けることができます。
次の図は東京電力の1995年以降の月足チャートです。これを見ると、東京電力の株価は底値がほぼ2,000円であることが分かります。その一方、株価は上がっても2,800~3,000円ぐらいが限度であることも分かります。

そこで、株価が2,200~2,300円あたりまで下がったら逆張りで買い、しばらく保有して、株価が2,600~2,700円あたりまで上がったら売る、というような戦略をとることが考えられます。

東京電力は倒産することはまず考えられませんし、業績の変動も穏やかで株価が大幅に下落することも考えにくいものです。さらに、配当も比較的良いので(2005年6月の時点では1株あたり年60円)、配当をもらいつつ値上がりを待つこともできます。





高株価で値動きの激しい銘柄では逆張りは厳禁

5月 14
2010



底値が見えていて値動きが安定している銘柄なら逆張りを使うことも考えられますが、そのような銘柄以外では逆張りは基本的には避けるべきです。特に、株価が高くて値動きの激しい銘柄では、逆張りは行ってはなりません。

●株価の高い銘柄は大きく下がる余地がある

株価が高い銘柄は、その分だけ株価が下がる場合の余地も大きくなります。 例えば、株価が1万円の銘柄と300円の銘柄があって、それぞれの株価が10分の1になることを考えてみましょう。
1万円の10分の1は1,000円ですが、1,000円からでもまだまだ下がる余地は十分にあり、1万円から1,000円まで下がることは十分にあり得ます。

その一方で、株価が300円から10分の1になると、30円です。 30円というと倒産寸前の会社の株価であり、通常はそこまで株価が下がることは少ないものです。このように、株価が高い銘柄は、株価が5分の1や10分の1になっても何らおかしくありません。そのような銘柄を逆張りで買うと、大きな損失を受ける可能性が高くなってしまいます。
 
ちなみに、1999年~2000年のいわゆるネットバブルの頃には、ソフトバンクやヤフーといったインターネット関連銘柄の株価が暴騰しましたが、そのあとに株価は暴落しています。

例えば、ソフトバンクは最高値で198,000円まで上昇しましたが、2005年6月時点の株価は約4,000円です。 2000年4月に1:3の株式分割が行われているので、それを考慮するとピーク時の株価は66,000円(=198,000円÷3)という計算になりますが、それ
でもピーク時の約16分の1という状況です。
もしソフトバンクを逆張りで買っていたとすると、莫大な損失になっていたことになります。

●値動きの激しい銘柄は先行きが読みにくい

また、値動きの激しい銘柄も、逆張りを行ってはなりません。
値動きが激しいということは、株価が下がるときには大きく下がる可能性も高いことになります。そのような銘柄を逆張りで買うと、買ったあとに株価が大きく値下がりしてしまう可能性が高くなります。

新興企業の株や、話題になっている株は、値動きが大きくなりやすいものです。そのような株は逆張りには適していません。





ナンピン買いには逆張りと同じ危険性がある

5月 14
2010



●株価が下がったときにはナンピン買いという方法もある
株を買った後で株価が下がった場合には、損切りをすることが基本です。しかし、株価が下がったときに、株価が戻ることを期待して損切りの代わりに「ナンピン(難平)買い」という方法を取る人もいます。

ナンピン買いとは、株価が下がった株を買い増しして、損(難)を平均化することを指します。例えば、株価が500円のときに1,000株を買ったあとで、株価が400円に下がったとします。そこでさらに,000株を買えば、90万円(=500円×1,000株十400円×1,000株)
で2,000株を買ったことになるので、平均の買値は450円に下がります。

ナンピン買いをしていなければ、株価が500円を上回らないと儲かりません。これに対して、ナンピン買いをすれば、平均の買値が450円になっているので、株価が戻って450円を超えれば儲かることになります。 ナンピン買いは株価が下がる中で買うことなので、逆張りに似ています。しかし、株価が戻ることを期待して行うのが逆張りであるのに対して、ナンピン買いは少しでも損を減らすために行うという点が異なります。

ナンピン買いがうまくいった場合は、上で述べたようにより低い株価で利益が出始めるので、ナンピン買いをしないときよりも儲かります。

ナンピン買いは損失を拡大することもある

しかし、必ずしもうまくいくとは限りません。ナンピン買いをした後に株価がさらに下がってしまうと、損失が一段と拡大してしまいます。特に、何度もナンピン買いを繰り返すと、そのときの株価と平均買値との差が広がっていき、その後に株価が大きく戻らないと儲からない、という状況になります。

例えば、株価が300円のときに1,000株を買い、株価が20円下がるたびに1,000株ずつナンピン買いをしていくとします。すると、株価は20円ずつ下がるのに対し、平均買値は10円ずつしか下がりません。また、含み損も膨らんでいきます。

このように、際限なくナンピン買いを続けると、株価と平均買値との差が大きくなり、含み損もどんどん拡大しますので、ナンピン買いは危険性が高い手法と言えます。

ナンピン買いは資金が豊富で株価を読みやすいときにのみ便う

このように危険性が高い方法なので、基本的にナンピン買いはお勧めしません。資金が大量にあり、かつ株価の動きが読みやすい銘柄である場合にのみ、危険性を承知の上で行うぐらいにとどめるべきです。

また、ナンピン買いをするにしても、いつまでも続けるのではなく、どこかで区切りをつけて、それ以上株価が下がるようなら損切りをすることも必要です。





逆張りは経験や資金が豊富な人の投資方法

5月 14
2010



ここまでの話から分かるように、逆張りは危険性が大きく、また豊富な資金が必要な投資手法です。さらに、底値の読みやすい銘柄を厳選することも必要になります。株を始めたばかりの方には、逆張りはとてもお勧めできない投資手法だと言えます。

逆に、資金が十分にあり、また銘柄もしっかりと見極めることができるなら、順張りよりも儲かる可能性のある投資手法です。株の経験を積んで習熟し、また資金も十分に増えてきたなら、逆張りに挑戦してみるのも良いかもしれません。ただし、逆張りをするにしても、あくまでもハイリスク・ハイリターンであることを頭に入れた上で臨むようにしましょう。

まとめ

●逆張りは値下がりしているときに買うので、うまくいけば大きく儲かりますが、失敗すると損失も大きく、ハイリスク・ハイリターンな投資手法です。
●通常は順張りをするようにします。
●値動きがボックス圈で安定している銘柄の場合は逆張りで儲けを出すことができる 場合もあります。
●株価が高く値動きが激しい銘柄では逆張りを行ってはいけません。
●ナンピン買いは逆張りに似ており、同じように危険性の高い手法です。資金が豊富で株価の動きが読みやすい場合に危険性を承知の上で使う以外は使うべきではありません。
●逆張りは経験と資金が豊富な人だけが行うようにしましょう。