ナンピン買いには逆張りと同じ危険性がある

5月 14
2010



●株価が下がったときにはナンピン買いという方法もある
株を買った後で株価が下がった場合には、損切りをすることが基本です。しかし、株価が下がったときに、株価が戻ることを期待して損切りの代わりに「ナンピン(難平)買い」という方法を取る人もいます。

ナンピン買いとは、株価が下がった株を買い増しして、損(難)を平均化することを指します。例えば、株価が500円のときに1,000株を買ったあとで、株価が400円に下がったとします。そこでさらに,000株を買えば、90万円(=500円×1,000株十400円×1,000株)
で2,000株を買ったことになるので、平均の買値は450円に下がります。

ナンピン買いをしていなければ、株価が500円を上回らないと儲かりません。これに対して、ナンピン買いをすれば、平均の買値が450円になっているので、株価が戻って450円を超えれば儲かることになります。 ナンピン買いは株価が下がる中で買うことなので、逆張りに似ています。しかし、株価が戻ることを期待して行うのが逆張りであるのに対して、ナンピン買いは少しでも損を減らすために行うという点が異なります。

ナンピン買いがうまくいった場合は、上で述べたようにより低い株価で利益が出始めるので、ナンピン買いをしないときよりも儲かります。

ナンピン買いは損失を拡大することもある

しかし、必ずしもうまくいくとは限りません。ナンピン買いをした後に株価がさらに下がってしまうと、損失が一段と拡大してしまいます。特に、何度もナンピン買いを繰り返すと、そのときの株価と平均買値との差が広がっていき、その後に株価が大きく戻らないと儲からない、という状況になります。

例えば、株価が300円のときに1,000株を買い、株価が20円下がるたびに1,000株ずつナンピン買いをしていくとします。すると、株価は20円ずつ下がるのに対し、平均買値は10円ずつしか下がりません。また、含み損も膨らんでいきます。

このように、際限なくナンピン買いを続けると、株価と平均買値との差が大きくなり、含み損もどんどん拡大しますので、ナンピン買いは危険性が高い手法と言えます。

ナンピン買いは資金が豊富で株価を読みやすいときにのみ便う

このように危険性が高い方法なので、基本的にナンピン買いはお勧めしません。資金が大量にあり、かつ株価の動きが読みやすい銘柄である場合にのみ、危険性を承知の上で行うぐらいにとどめるべきです。

また、ナンピン買いをするにしても、いつまでも続けるのではなく、どこかで区切りをつけて、それ以上株価が下がるようなら損切りをすることも必要です。





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