逆指値注文で注意すべき点

6月 13
2010



逆指値注文は非常に便利ですが、注意すべき点もあります。

例えば、「株価が500円を下回ったら、498円の指値で売り」という逆指値注文を出したとします。そして、株価が500円以上でしばらく推移し、ある日の終値が510円だったとします。株価は500円を下回っていないので、逆指値注文はそのまま持ち越しになります。

しかし、その日に株式市場が終わってから何か悪いニュースが出て、次の日の寄り付きで株価が480円に下がってしまったとします。その場合は株価が500円を割り込むので、逆指値注文が発効して、498円の指値の売り注文が出されることになります。

ところが、株価は480円まで下がっているので、498円の指値の売り注文は成立しません。

このように、逆指値の注文を出す際に、「○○円で売り」という指値を指定すると、日をまたいで株価が大きく変化したときに、注文が成立しなくなることが起こり得ます。その場合には、逆指値注文をキャンセルして、成り行きですばやく売るようにする必要があります。
 
株価が大きく下がっているので、成り行きで売れば大きく損失が出てしまいますが、それは致し方ありません。そのまま指値注文のままにしていたり、株を持ち続けていたりすると、株価がさらに下がって損失が拡大してしまう恐れがあります。

また、先はどのように株価が急落しそうな状況になったら、市場が開く前に証券会社の口座にログインして、成り行きの売り注文に出しなおしておくことをお勧めします。

逆指値が通らない場合の実例

ここでは『市場が閉じている間に悪材料が出るなどして株価が急落すると、逆指値注文が通らなくなることがある」ということを学びました。その実際の例として、トレンドマイクロをあげておきましょう。

トレンドマイクロは、コンピュータウィルスの駆除ソフトを開発しているメーカーです。ウィルス駆除ソフトでは、最新のウィルスに対応できるように、頻繁にアップデートが行われています。しかし、2005年4月23日(士曜日)に出したアップデートには不具合があり、それをパソコンに組み込むと、パソコンの動作が異常に重くなってしまうというトラプルが発生しました。

4月22日(金曜日)のトレンドマイクロの終値は4,280円でしたが、このトラブルによって、週明けの4月25日(月曜日)の寄り付きでは株価が3,830円まで急落しました(ただし、当日の終値は4000円まで戻しています。)

このトラブルが出る前から、トレンドマイクロの株価は下降トレンドに入っていました。そのため、金曜日の時点で逆指値を使って損切りの注文をしていた人もいることでしょう。

しかし、月曜日に株価が急落したので、逆指値が通らなかった人もいると思われます。例えば「4,200円を下回ったら4,180円で売り」というような逆指値注文をしていたとすると、その注文は成立しなかったことになります。

このように逆指値も万能ではないということを覚えておきましょう。





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