負債の割合が高い企業は要注意

6月 13
2010



負債は返済する必要があるので、資産に対して負債の割合が高くなるほど返済に追われることになり、その企業の経営は不安定になります。その反面、資本は基本的には返済不要なものなので、資産に対して資本の割合が高ければ、経営が安定します。

このように「資産に対する資本の割合」は、貸借対照表を見る上で、重要なポイントになります。この「資産に対する資本の割合」のことを「株主資本比率」(もしくは「自己資本比率」)と呼びます。単位はパーセントです。

例えば、トヨタ自動車の場合は、前述したように2004年9月末時点で資産が23兆3101億9400万円で、資本が8兆5420億7600万円です。ここから株主資本比率を計算すると次のようになります。

株主資本比率は、資産と資本が分かれば計算することができますが、会社四季報の「財務」の部分にも掲載されています。

資産に対して負債が多い企業は、その分資本が少ないので、株主資本比率は低くなります。つまり、株主資本比率が低い企業は、投資にはあまり適していません。株主資本比率は、少なくとも30%程度は欲しいところです。また、株主資本比率が10%を割っているような企業は、投資対象からはずしておいた方が良いでしょう。

ちなみに、東証一部企業では、株主資本比率は30~50%ぐらいのところが多くなっています。

なお、個々の企業の現在の株主資本比率は、Yahoo!ファイナンス等のインターネットのサービスを使うと調べることができます。


 



資産・負債・資本の関係

6月 13
2010



借金が多くて財務の悪い企業は、倒産するリスクが高くなります。したがって、投資対象の銘柄を選ぶ際には、業績だけでなく財務の良し悪しもチェックしておきたいところです。ここでは、財務の見方を学習します。

財務の指標を見るには「貸借対照表(たいしやくたいしょうひょう)」を使うということは、すでに学びました。貸借対照表とは、企業が持っている財産(現金/預金/不動産など)と、そのもとになる資金(借り入れや出資など)とを、表にしてまとめたもののことです。

貸借対照表の左半分には「資産」を記入します。資産とは、平たく言えば、企業が持っている財産のことです。これに対して、貸借対照表の右半分には「負債」と「資本」を記入します。負債は、銀行からの借り入れなど、他人に返す必要があるお金などのことです。一方の資本は、株主が出資したお金や、これまでの利益を積み立ててきたもので、その企業が存続する限りは返済する必要がないお金などのことです。

そして、資産/負債/資本の間には「資産=負債+資本」という関係が成り立ちます。貸借対照表では、左半分が資産、右手分か負債と資本なので、左半分と右半分のそれぞれの合計額は一致することになります。

会社四季報では「財務」の部分の「総資産」のところに、資産の額が記載されています。また、「株主資本」のところが資本の額です。

例えば、トヨタ自動車では、2004年9月末時点で資産が23兆3101億9400万円で、資本が8兆5420億7600万円です。