PERの目安とそれによる銘柄の判断

6月 08
2010



利益が少ないのに株価が高い銘柄は、実際の価値以上に株が買われていると考えられます。利益に比べて株価が高い場合、PERの式では分子が大きく、分母が小さくなります。そのため、PERの値は大きくなります。

逆に利益が出ているのに株価が低い銘柄は、利益が出ていることがあまり評価されていなくて、株価が安い状態にとどまっていることになります。この場合、PERの値は小さくなります。

例えば、1株あたり利益が10円で、株価が100円の銘柄Aと1,000円の銘柄Bがあるとしましょう。この場合、それぞれのPERは次のように求められます。

銘柄A → 100円÷10円=10倍
銘柄B → 1,000円÷10円=100倍

このように、PERが高いということは、利益の割に株価が高いことを意味します。そのような状態は長くは続かないので、PERが高い銘柄は買うのにはあまり適していません。

これに対して、PERが低い銘柄は「利益が出ているのに株価が安い」ということが見直されれば、株価が上がる可能性があります。したがって、投資対象として適しています。

ただし、将来性の薄い企業だと、利益もそれほど伸びないと思われるので、PERが低いままで放置されるのが普通です。これに対して、今後に大きく伸びそうな企業の場合、株が先行して買われて株価が高くなりやすく、PERも高くなる傾向があります。

単純に「PERが低いから買い」ではなく、その企業の成長性も考慮した上で、投資に適しているかどうかを判断するようにしましょう。理想的なのは「成長性が高いと思われるのに、PERが低い銘柄」ということになります。

PERの目安は20~30倍

多くの日本企業のPERは20倍前後です。したがって、PERから投資対象銘柄を判断する場合は、この水準を目安にして、それよりPERが高い場合は投資対象からはずすようにすると良いでしょう。

また、同業他社と比べてPERが高い銘柄は、他社に比べて株価が割高になっていると考えられるので、投資対象からはずす方が無難です。





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