会社四季報とは何か

5月 13
2010



企業の業績や財務を調べるには、本来なら決算書を読むべきです。ただし、多くの企業の情報をすばやく見るには「会社四季報」が適しています。ここでは、会社四季報の見方を学習します。

株を始めて間もない方だと「会社四季報」の名前を初めて耳にされるかもしれません。そこで、まずは会社四季報について学びましょう。 会社四季報は、日本の上場企業の情報を集めた書籍です。東洋経済新報社から、年に4回発売されます(3/6/9/12月の中旬)。コンパクトな通常版(B6サイズ)と、大きくて見やすい机上版(B5サイズ)があります。定価は、B6版が1,750円で、B5版が2,200円です。

企業の所在地や特徴から、現在の財務状況、過去数年間の業績など、非常に多くの情報がコンパクトにまとめられています。株取引をする上で、会社四季報は必須のツールだと言えます。

 


 



会社四季報の見方

5月 13
2010



会社四季報には、個々の企業についてのさまざまな情報が掲載されています。ただし、そのすべてを詳細に見る必要はありません。ここでは、重点的に押さえておきたいポイントを取り上げます。
次の図は、2005年春号の会社四季根から、トヨタ自動車の部分を取り出したものです。四角で囲んだ部分が特に重要なところです。

●「株式」の部分
まず、①の「株式」の部分を見てみましょう。ここには、その企業が発行している株式の数と、1単元あたりの株数が書かれています。 トヨタ自動車の場合は、発行済み株式数が3,609,997,000株で、1単元の株数は100株になっていることが分かります。

あとの節で企業の業績や財務の見方を学びますが、その際には発行済み株式数を使います。また、1単元あたりの株数は、実際に株を売買する際に重要です。
株を売買する際には1単元の整数倍の株数でなければなりません。

●「財務」の部分
②の「財務」の部分には、その企業の財務状況を要約が掲載されています。「総資産」や「株主資本」といった値が出ていますが、これらをもとにして財務の安定性を判断します。

●「業績」の部分
③の「業績」の部分は、過去数年間にわたるその企業の業績が掲載されています。
「売上」「営業利益」「経常利益」などの値がありますが、これらの利益から株価が今後伸びそうかどうかを判断します。

●株価の推移の部分
各ページの上端には、これまでの株価の動きをグラフで表した株価チャートが入っています。株価チャートを見て、現在の株価が高いのか安いのかを判断して、売買のタイミングを判断します。
ただし、四季報に入っているチャートは月単位で描かれたもので、大まかな株価の動きしか分かりません。最近の株価の動きは、インターネットを利用して調べる必要があります。

 


 



単独決算と連結決算

5月 13
2010



大半の会社では、業績の部分を見ると左端に「単」と「連」の2種類の表記があります。これらはそれぞれ「単独決算」「連結決算」を意味します。

単独決算とは、その会社1社単独での決算のことです。連結決算は、子会社や関連会社も含めたグループ全体の決算を表します。
単独決算では、親会社の決算が良くないときに、親会社から子会社に不良在庫を押し付けて売上が上がったかのように見せかけるなど、粉飾決算が行われることがありました。

連結決算ではグループ内の取引は除外して計算するので、以上のような粉飾決算は行うことができなくなり、決算書の信頼性が高くなります。

現在では連結決算が主流になっているので、決算書の数値を見て判断する際には、連結決算の数値を主に使うようにします。